読書体験のクラウド化

これ、すごい!
「アマゾンが Kindle の発売によって実現したのは「持ち歩ける電子書籍」です。しかし実はそれよりもはるかに重要なのが、同時に行った「本のクラウド化」です。」(マガジン航:川添歩 http://www.dotbook.jp/magazine-k/2010/03/19/cloud_reading/


「アマゾンは、その本のデータ(の複製)を売るのではなく、それを「参照する権利」と、データに「自分専用のデータを付加する権利」を同時に売っているので す。「本を所有すること」ではなく「読書をすること」そのものを売っているのです。したがって、より正確には、本がクラウド化されたというよりも、読書体 験そのものがクラウド化されたと言うべきでしょう。これは、本の歴史、読書の歴史にとって、とても大きなできごとです。」


そうなんですよ! さらに

「今、同じ本の同じページを読んでいる、どこかのだれか」と、読書体験を共有することができます。他人の下線やメモにコメントをすることもしくみ次 第で可能ですから、そうすると自分の読書行為がその場で「読書会」にもなりえます。誰かほかの人と、同じ時間に、同じ本を読むというのもまた、これまで日 常的にはあまり持ち得なかった読書体験として、新しい楽しみになるでしょう。」

「もちろんリアルタイムでなく、タイムシフトしてもいいのです。かつて学校の図書館で本を借りると、その本に付されている貸出票には、それまでにその 本を借りた人の名前と年月日が連なっていました。それを見て、会ったことのない先輩たちに不思議な共感を覚えたものでした。読書体験の共有化は、そうした 感覚をずっと深めることになるでしょうし、同時に、同じ本への異なるアプローチを追体験することで、その本への理解もずっと深まることでしょう。」

僕がとってもやりたい「書き方」に「フーガ」がある。フーガはバッハの楽曲に特徴的な構成。ピアノで言えば右手と左手があるときは強調し、あるときは別の生き物として動き、最後は見事に収束する。左手=リズム、右手=メロディーといった単純なものじゃないので、何度聞いても飽きない。

文章でも「フーガ」ができると思って、いつも頭の中で組み立てては消している。もちろん、同位置平面上に書ききる文章としての完成度あってのことだけでど、クラウドみたいな、時間移動、タグ、体験の共有、というマルチ軸を考えれば、「フーガ」の輪唱的な構成は四次元的立体感を持つ。いや、すごい!

妄想中の作品としては、平凡な下町で起こった殺人事件を目撃した、3組の証言の「輪唱」。完成した文章をクラウドに置き、クラウドならではの読書スタイルを盛り込むことで、想像上の事件が,自分の体験のようにもなり、著者の想像力(フィクションとしての妄想)と重なって、妙に迫力のある体験ができる。これを「読書体験」というのか、もう、わからないね。もっと、次のものかも。

要は,仕組みではなくて、物語。仕組みだけで面白くなることはないからね。あ〜 楽しくて寝れないや。


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