小説「鎌倉の怪人」連載記念 松宮流小説の作り方 その3

















観察

ホントとウソのキワを想像する。
それにはまずは事実の観察。そうです観察です。
作家になれば、世の中の風景を見る自分の目が、探偵のようになっていることに気づくかもしれませんよ。ワタシもそういう切り替えのタイミングがありました。

たとえばこんな感じ。
京都の進々堂という祇園花街御用達の喫茶店へ入ったときです。友人は店内の雰囲気や壁に貼られた舞妓さんの札、扇子などを物珍しそうに見ていましたが、ワタシは仕事前で化粧気のない芸妓さんの手元をじっと見ていました。ケータイと時計を持っていない事に気づき、どうやって時間を知るのだろう。と限りない興味を持ちました。じゃあ、着物のたもとからケータイを取り出す舞妓ちゃんがいたら、それはニセ者? 特別な事情?
ま、そんなところです。いろいろ観察する癖が付くと、妙な空想にもつながるのです。

観察、観察。

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