奇跡のタッチダウン by ジョン・グリシャム



原題は「Playng for Pizza」
リックはNHLクリーブランド・ブラウンズの第3クオーターバック。一度も先発することがないリックだが、メンバーのリタイヤでスーパーボール出場を賭けた試合という千載一遇のチャンスが回ってきた。ところが、歴史に残る大失態。暴徒と化したファンに命を狙われるような状態。
雀の涙金で、名もなきイタリアリーグ パルマ・パンサーズへ落ちていくが、人生はいろいろ。アメリカで味わうことのなかった、豊かな人生を知る・・・・

グリシャムを読み込んでいる僕でありますが、「依頼人」「ペリカン文書」「法律事務所」この3大傑作以外は、まずまず、という感じだったので、サスペンスでもなく、「イタリアでアメリカンフットボールの話?」と、期待せず読み始めたのですが、いやはや、これはいい話です。
個性派揃いのチームメンバー、プロのレベルに遠く及ばない連中にまみれながら、リックは自らの存在そのものを確認していく。チームの中で、そして人生という長いゲームの中で。

試合の前半で必ずファンブルするフルバックのフランコはパルマの判事。リックが交通違反しても警官をとっちめて無効にする。センターはお尻を触られるとへんな気分になる妙なやつ。リックが編み出す、ヘボチームであるからこその作戦もおかしい。
僕と家族がニューヨークの郊外に住んでいたとき、近くのグラウンドで小学校低学年の試合をやっていたのを見た。タッチフットじゃなく、本格的な試合。観客スタンドにスコアボード,放送だってあった。身長1mそこそこの子供がヘルメットに防具を着込み、親達はやんやの感性。アメリカ人のスポーツ好きは気違いじみている。この小説では、イタリアリーグのへぼ加減も詳細に書き込まれているから、フットボールの祖国であるアメリカ人は、大笑いしながら読むんだろうな。

人生を誓い合うことになるリヴィの、なんて上品でセクシーなこと。ドルチェ・ヴィータ。
気持ちを優しい風になでられた気分。

僕も書きながら、常々思っていることですが、「人生って捨てたもんじゃない」と、優しくも熱い血をたぎらせる物語りを書いていきたい。さわやかなドキドキ感と高揚する心。
そうでなきゃね。
チャオ。

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