NHK朝ドラ「ひよっこ」がはじまりました。北茨城の農家。貧しいながらも明るく生きる一家の物語。ちょうど渡辺京二先生の「逝きし世の面影」を読んでいて、素朴な時代に生きる日本人のゆたかな精神を考えていました。この本は幕末時代、日本に滞在していた外国人の目を通して見た記録をまとめた内容で、「二度と戻ってこない文明」を書いています。ひとことで言ってしまえば、当時の日本人は「陽気であって、貧乏人はいても貧困はなかった」ということです。自然を敬い、時間の流れにさからわずゆったり生きる時代ののびやかさ。西洋人の多くがは精神の美しさに心をうたれたそうです。ところが産業革命による工業化がはじまると、富の集中が起こり、不幸がやってくるのです。世界は未知の資本主義時代に突入しています。予想できない未来、他を思いやることができない個人主義。

でも行き方は選べます。暮らしの破綻はこころ次第。ちょっとしたことに感動できる心を忘れないよう、生きていきたいです。「ひよっこ」の登場人物たちも、高度経済成長の波にあおられ、心が痛むことも増えるでしょうが、朝ドラらしく、希望の光をともし続けていくと思います。

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