Jazzの街神戸に集う若手ミュージシャン。Next Jazz Messengers in KOBE


6/11 (日)ジャズと縁の深い神戸の100BAN HALL で、
若手のジャズミュージシャンによるライブ
Next Jazz Messengers Vol.2 が開催された。
(レポート:松宮宏/橋本麻由)


4階の402号では2009年夏、北野武監督・ビートたけし出演映画
『アウトレイジ』の撮影が行われた。今も入場無料。壁面には
銃弾痕も見られる。

100BAN HALLは旧居留地の高砂ビル2階。スタンウェイのグランドピアノが常設されているレトロ気分いっぱい、昭和カフェあるいはダンスホール風のホールだ。



100BAN HALLは主要人数も最大で100 名と小規模だが、
ソファ席や全体を見渡せる2F席があり演奏を間近で楽しめる作りになっている。

Next Jazz Messengers Vol.2に出演したのは18歳から27歳の若手ミュージシャン。
全員プロとして活動している。






最初のバンドは小原加奈梨Quinet


小原加奈梨 as
弓場一誠 ts
平倉初音 p
荒井一喜 b
今岡稜太 ds

演奏曲
1.Harry Up Blues (作曲 小原加奈梨)
2.Linden(作曲 小原加奈梨)
3.Voyage

Asax の小原加奈梨とTsax の弓場一誠をメインに据え、力強いサウンドを聴かせた。
小原加奈梨は高砂高校出身。神戸で開催されるステューデント・ジャズ・フェスティバルの受賞者だ。高校卒業後は大阪音大に進みサックスを専攻した。今回は音大のメンバーも参加したチーム編成。
1曲目はブルース。サックスの出だしに緊張が見えたが、ピアノで一気に盛り返した。平倉初音は今回の最年少18歳で、この秋からからバークリー音楽大学に通う。注目の若手奏者だ。インプロヴィゼーションではブルーノートをユニゾンで叩き、バンドをリズムに乗せた。

2曲目のリンデンは小原加奈梨のオリジナル曲。既知の曲だけではなくオリジナルも聴かせるNext Jazz Messengerは、100BAN HALLを満員にするだけの魅力がある。

ミュージシャンとの一問一答



小原加奈梨 アルトサックス
中学は吹奏楽。高砂高校にジャズ部があり興味を持った。
なぜサックスを選んだ?
いちばん人気の楽器だった。わたしは小さいので(身長144cm)。トロンボーンなどは、先まで手が届かないということもあった。サックスセクションはひとりしか入れなかったが、8人の候補からわたしが勝ち残った。現在は他の仕事をしながら、週一回くらいのステージを続けている。楽器はセルマー、40万円くらい。クラリネットもたまに持ちかえで吹く。



平倉初音 ピアノ
今年の秋からバークリー音楽大学に通う。ピアノは幼い頃から。
シンセとか作曲もやってみたいので勉強中。中学のときにジャズをやりはじめた(レッスン
練習場所・時間→家のグランドピアノで3、4時間。高校はカルタ部。今後バークリーではピアノの他にシンセサイザーや作曲にも挑戦したい。「上原ひろみを超えちゃおう」と話してみたら喜んでいた(と思う:文責松宮)




2番目に登場した小林沙桜里率いるOrgan Trio

小林沙桜里 org
若松駿平 gt
原田一平 ds

演奏曲
1.The cat
2.No man's land
3.Tuseday Night Squad
4.When a man loves a woman

 ハモンドオルガンを使ったトリオ。音の重厚感や、やわらかな響きはオルガンにしか出せない。ひと味違った演奏は会場を魅了した。ホールにはスタンウェイのピアノとともに、クラシックなハモンドオルガンが常設されている。
 上品な出で立ち、女性オルガニストの登場だったが、Jimmy SmithTHE CAT」の熱演で観客の心をつかんだ。左足でベースを刻み、右足はペダルを操作。両手で演奏しながら、ドローバーと呼ばれるスイッチを使い音を重ねる指さばきは、見ているだけでも楽しめる。
 普段ジャズを嗜む人でも、オルガンをメインにしたジャズはなかなかに珍しいものだったのではないだろうか。リズムセクションはドラムとギター。ベースは、オルガニストが足で踏んで低音を奏でていた。
3曲目はモータウン風のR&Bポップス。見事な演奏だったが、もっとモダンジャズを聴きたい。観客は思ったのではないだろうか。

  小林沙桜里 ピアノ・オルガン。
エレクトーンは4歳から。
エレクトーン→さまざまな楽器の音を出せる。
オルガン→音色を変えながら演奏できる
オルガンの音が好き。エレクトーンで学んだ事を活かせる。
音楽が周りにある環境に行きたかった。
中学は茶道部。高校は帰宅部。個人レッスンでエレクトーンとピアノを習っていた。
音大に行くため高校生からピアノを習うが、鍵盤が重くて慣れなかった。
現在の活動→関西。大阪や神戸でライブに出演。月7、8回。音楽をメインに活動している。
練習場所・時間→家で1日じゅう練習。
今後もオルガントリオをやりたい。

3番目は礒野ノブキQuintet

礒野展輝 tb
陸悠 ts
酒井柊人 gt
小池勇輝 b
森田渚音 ds

演奏曲
1.Untitled song(作曲 礒野展輝
2.雨の日の帰り道(作曲 礒野展輝
3.Stablemates(編曲 陸悠

1曲目、2曲目は礒野作曲のオリジナル曲。雰囲気の違う2曲を演奏することで、飽きさせることなく彼らの世界へ引き込んだ。各楽器のソロが光る。演奏技術の結晶。

神戸のユースジャズアシスタント講師。部活では高砂高校と甲南高校の実力が抜きん出ているが、彼は後者。今回はバークリー音楽院へ留学中の同級生、陸悠と共演した。バークリーに奨学生で入学する若手たち。凱旋公演を期待したい。

いつ頃から始めたか→中学1年生。
なぜ今の楽器をやろうと思ったのか→兄がやっていて、興味を持った。
中学・高校からジャズ部
現在の活動→ジャズを仕事に、月2、3回ライブ。
練習場所・時間→家・23時間。 
今後やっていきたい活動→スタジオミュージシャンなど幅広く。





最後の演奏は小倉直也 with Nej@M All Stars。
中島朱葉を迎えてのスペシャルジャズバンド。
ゲストとして登壇した中島朱葉は若手では日本のトップを走るサックスプレイヤーだ。観客だけでなくプレイヤー達も巻き込むほどのソロ。一気に盛り上がり、演奏の熱もヒートアップ。テナーサックス同士のソロバトルやインタープレイを聴かせてくれた。

〈小倉直也 with Nej@M All Stars feat 中島朱葉〉
小倉直也 tp
陸悠 ts
弓場一誠 ts
礒野展輝 tb
小林沙桜里 p
荒井一喜 b
森下啓 ds
feat 中島朱葉 as

演奏曲
1.Moment's Notice
2.Darn That Dream
3.Sister Sadie
4.Beautiful love

アンコール 
Straight No Chaser
(すべて編曲 小倉直也)




小倉直也
8歳のときにトランペットを買ってもらって 幼いときからトランぺッターになるとなぜか決めていた。
なぜ今の楽器をやろうと思ったのか→母が音楽学校のピアノの先生をやっていて、そのときにたまたまトロンボーン生徒の演奏を聞いて、なぜかそれをトランペットだと勘違いし、トランペットをやりたいと思った。
学生時代の部活→個人レッスンでトランペット(クラッシック) 高校→ジャズバンド部があったので
ゆるい部活だったけど、もっと真剣にやりたいと積極的に活動しはじめて楽しくなった。
現在の活動→音楽で活動 バイトでかけもちで 関西メインで 多いときは月20弱(10-15) 
練習場所・時間→家で4時間。(バイトがあると練習が少なくなるのでもっとしたい)
音楽一本で食べていけるように、ジャズバンドで活動をした。

中島朱葉
いつ頃から始めたか→中学1年生。 
なぜ今の楽器をやろうと思ったのか→母がアルトサックスを吹いていて(趣味) 
学生時代の部活→吹奏楽部(1年でやめて)個人活動、
スイングガールを見て個人レッスンを受けはじめる。 
高校のときにライブ活動。自然と音楽でやっていこうと思った。
          
 現在の活動→毎日ライブ。東京、たまに関西。
練習場所・時間→家で2時間。
 今後やっていきたい活動→自分のアルバムを出したい。






スペシャルゲスト、中島朱葉のスィング力に引っ張られた感があったが、神戸若手の演奏は観客を引きつけた。
中島朱葉にしても、まだ25歳。Jazzの街神戸で来演し、切磋琢磨させてやってほしい。


神戸は全国イベントとしての「ステューデント・ジャズフェスティバル」を開催しており、2017年度は33回目を迎える。高砂高校や甲南高校は、グランプリにあたる神戸市長賞受賞の常連で、バンド演奏もさることながら、プロになったソリストを何人も輩出している。


中高生のレベルが日本一の神戸。ちょっと先輩のNext Jazz Messengers。

仲間がますます増えますよ。
街ぐるみで、もっともっと、ジャズの街になるよう。
これからもがんばってください。応援します。

 
 
 
 

 

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