原爆雲に花を

イタ友(イタリア人の友人という事)、クラウディオ・コルッチが
キノコ雲の形をした花瓶を作った。 
その花瓶に花を活けよう。 
意味深長だ。 
ところがユニーク形のキノコはみんなの想像力を呼び覚ました。
 クールでいて、とても優しい時間になった。
 場所は住吉智恵さんのところ。
恵比寿の本屋NADIFの3階にあるTRAUMARIS。

雲。
空気中の水蒸気の結晶。
空に浮かび、風に流され、刻々とかたちを変える。 
これをガラスで表現したい。
クラウディオは金型を作らず、
ガラス職人さん達の手作りにゆだねた。
製造を請けたのは東ヨーロッパのガラス工房。 
職人がクラウディオのスケッチを心にすり込む。 
ガラスを熱する。
 熱いガラスに息を吹き込み、回しながらキノコを作る。
 キノコひとつ、ふたつ、みっつ、よっつのもある。 
雲は自然の必然でもくもくと空に昇っていくが、
造形は偶然だ。 
過去未来、どれとして同じカタチはない。
 作り方はできるだけ自然を模倣する。
さて、花を活けてみよう。
花瓶の口は小さい。
技術的にはココがポイントかも。
活け花教室じゃない。
指導役の中村俊月先生はあんまり教えない。
「自由自在の活け花です。既成概念はいりません」
僕はど素人なので、ブーケの組み方っをちょっとだけ習った。
「花卉は用意しています。プラスワン、何か持参を」
智恵さんのメッセージが届いていたので、僕は福助とミーとナミと鉄腕アトムを持っていった。

一緒に参加したアートディレクターのフクトミさんはカリフラワーを持っていった。
こんなものをつくろう、とか考えていたわけじゃない。想いにまかせ、僕は雲よっつの花器を選んだ。

できばえやいかに?




いちばん上の段、原爆雲を花で覆い尽くした。

その下に、神様として福助を置いた。
天上の花から木々が垂れ下がる。神は森にいる。
一番下の段、赤い花びらにナミを寝かせた。
花の色は流れた血かも知れない。
ナミの上にはミー。ミーはメディアだ。
神と人間をつなぐ。ミーに嘘はつけない。
花瓶の横に立つのは鉄腕アトム。科学の子。
アトムは森の巨人となるかもしれない。
そしてナミはいつか眠りから覚める。どこへ向かうのだろう。





参加者はさまざまな人たち。花の専門家ふたり、造花作家ひとり、タロット占い師ひとり、デザインナーひとり、そしてアートディレクターのフクトミさん、クラウディオと智恵さんと、おまけに小説家の僕。

キノコ雲=原爆、それはわかってはいたが、
花を活けている時間は無心だった。2時間なんてあっという間。
そして体力をすごく使った。
中村俊月さんによると
「生き物に立ち向かったからですよ。花も生命。強いのです」

葉をもぎ取り、枝を切り、花びらをちぎる。
花の命を散らすことで命の大切さを知る。
命に直接触れる・・それは思惑を超え祈りににつながる。






大切なことを思い起こす、すてきな午後になりました。

クラウディオ、智恵さん、ありがとう。
もっとたくさんの写真はFacebook
住吉智恵さん、中村俊月さん、クラウディオ

CLAUDIO COLUCCI展 invisible world
会期:2013年10月9日(水)〜10月20日(日) 会場:TRAUMARIS|SPACE(恵比寿NADiff apart 3F) http://traumaris.jp/space/2013/09/109-claudio-colucci-invisible-world.html

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