「秘剣こいわらい」は持ち込み原稿からはじまった

 京都の女子大生和邇メグルの冒険活劇シリーズ「秘剣こいわらい」ですが、デビューへのきっかけは最初、持ち込み原稿でした。
 新潮社に知り合いの知り合いがいた、という薄い縁だったのですが、その方が当時の文芸部長でした。新幹線でぱらぱらとページをめくっていたら、面白くて200ページ読んでしまった、と返事をいただいたんですね。それで新潮社を訪ねたら「アマチュアの方には異例ですが・・」と切り出しながら「編集者をつけましょう」と言ってくれました。
 「書店店頭で目印がつかない本は気にもされないので、まずは賞を狙いましょう」となり、新潮社主催のファンタジーノベルズに出すことに。
 審査会の評は2000年8月の小説新潮にも出ていますが、審査会のリアルなやりとりは編集者から聞き、審査委員長格であった井上ひさしさんが、いちばん応援してくれた、と知って、胸がじーんと来ましたね。
 編集者に同時に言われたのが「デビューしても2作目を書けない作家はプロとしてやっていけないので、最初の本の出版時には5冊分、原稿用紙で2,000枚は書き上げておいてください、と熱い支援(そして厳しいお達し=今の仕事は絶対辞めるな・・結局辞めてしまったのですが・・ホントに辞めてはいけない)

 この時書いた2,000枚が「秘剣こいわらい」、続編の「くすぶり亦蔵」と「さくらんぼ」(新潮社長編小説新人賞ベスト8)。「はるよこい」PHP研究所。

 書くと言うことがどういうことか、実にリアルに体験しました。
 楽しくてたいへんつらい。
 作家修業の一番最初に、文芸ではいちばん厳しい、といわれる新潮社に出逢ったことが足腰の鍛錬になったことは間違いないです。


 ちなみに、知り合いとその知り合いの関係ですが、高校の時同じ野球部で、セカンドとショートだったそうです。


 いろんな縁があります。
 薄い縁を濃くするのは自分の努力だけ。
 努力に応えてくれた方には感謝を。
 それも知りました。

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