小説「鎌倉の怪人」連載記念 松宮流小説の作り方 その7

小説「鎌倉の怪人」連載記念
松宮流小説の作り方 その7

小説は教室で学んだわけでも、書き方本で勉強した、ということもありません。積み上げた読書経験を下敷きに、あくまで妄想のおもむくまま、ですが、「小説の書き方」本は数冊読んだことがあります。
やはり技術も必要と感じることあり、「他の作家はどうしてるのかな」と思うわけです。
で、出会いました。
スティーブン・キング(SK)の「小説作法」
なるほど、と納得しています。
だいたいSKとは好きな作家が似てるんですよ。
なんといってもエルモア・レナードとジョン・グリシャム
(ワタシはここに藤沢周平を足す)

小説家を目指す人の質問はふたつに要約されるそうで、
・何を書いたらいいのか?
・どうやって編集者(出版してくれる人)と知り合うのか?
SKは、この現実的な質問については自分で解決するしかない、と前置きしたうえで、クリエイティブについて語ります。

1.小説家を目指すために
まず大切なもの、それは想像力。
SKはこの部分を「扉を閉めて書く」と表現しています。
自らの脳みそを駆使し、言葉を生み出すのです。

2.そして「プロ」の小説家を目指すためには、
推敲(修正)における視点の持ち方と技術とが必要。
その部分は「扉を開けて書く」と表現しています。
扉の向こうに誰がいるのか?
それは読者、会ったこともない第三者です。

自らの脳みそが吐きだした妄想のまま完結した小説など誰も(お金を払って)読みません。世の中へ出すには客観性が必要なのです。読者の目で推敲する。そうするとどうなるか。単純に言えば「文章量が20%減る」のです。無駄な表現やダブりはもちろん、「こだわりの表現」と思っていた文章が、自分にしかわからない独白であったりするのです。
もちろん、残す部分もあるのですよ、表現ですからね。
でも、「扉を開けて」推敲すると、そういうの、ほとんど削除になるのです。削除後の文章を読んでも違和感もなく、意味も通っている。
それが推敲。英語ではPolish=磨く=汚れを取り除く。

推敲って、やってもやっても終わらないんですね。見直したらまた直すところが見つかる。掃除だって、徹底的にやろうとしたら終わらないでしょ。磨きまくったと思っても、次の日見たら汚れが見える。また磨く。次の日も、その次の日も。ずっと同じ。

とにかく磨きあげ、その原稿が「第1稿」です。いや「第0.8稿」くらいかな。
妄想を吐きだしただけの原稿は第1項ではありません。それは落書きです。

でも、落書きの中に潜む想像力とパワーが何よりも大事。それは原石です。原石を掘り出さないと、その後は何もない。


掘り出す、と言う意味ではモチーフがあります。
それは別項で。
それはそれで、ものすごく大きなテーマ。
上記に書いた中に含まれません。別の思考、作業が必要なのです。

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