小説「鎌倉の怪人」連載記念 松宮流小説の作り方 その8

知らない時代・場所について書く
基本的に1回でも訪れた場所なら情報をふくらませて書きはじめます。
まずはインスピレーションとリズム。
書き上がってからまた事実を確認に行くのです。
そして事実を取り入れるか、想像のまま放っておくか、いろいろと考えるわけです。
入念な取材ノートを作ってから書き始める・・・記者のレポートみたいになる。
そういった作風の小説の評価が高いのが世の常(*個人の意見=ワタシの偏見)ですが、
ドキュメンタリーはとりこむ分量。慎重に計る。リアルもウソも描写は丁寧にします。
しかし、まったく行ったことがない街を舞台にする・・というのは無理です。
ヒントはつかまないといけない。
そういう意味で、ハードルが高いのは歴史小説やSF。歴史を超えた舞台ですね。
歴史小説にも挑んでますが、少し書いては筆が止まる。
江戸の街なんて、なかなか絵が浮かばない中、必死で思い浮かべる。池波正太郎さんの机には江戸の古地図が張ってあったそうですね。日々地図を眺め、脳がその時代にトリップできるまで眺め続けるしかない。年季でしょうね。

鎌倉の怪人には平安時代につながる部分があります。本やらネット情報やら、参考にしています。夢枕獏さんの陰陽師シリーズも読んでますが、あくまでイメージを吸収させてもらうわけで、参考にしすぎたら盗作になってしまいます。

黒岩重吾さんは古代小説を書いています。小野小町の会話とか・・もちろんそんなの誰も聞いたことはない。
資料もない。でもセリフを書いている。取材して書ける類ではない。
地図を眺めたり、インナートリップするわけですね。
自分がその時代にいる感覚になれば言葉は出てくるものです。

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